[ニューヨーク 24日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。米国の新型コロナウイルス感染者増加を受け、景気の早期回復期待が後退。米国が欧州の製品に関税発動を検討していることも影響した。
ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットの3州の知事は24日、ウイルス感染率が高い州から訪れる人に14日間の自主隔離を義務付けると発表した。
マーク・インベストメンツのアクセル・マーク社長兼最高投資責任者は、相場の動きは新型コロナ次第だとし、「ここ数週間、ドルは弱含みで推移しており、トレンド反転にはそれほど多くの要因が必要ではない」と述べた。
ドル指数USD=は0.52%高の97.141。3月に付けた3年ぶり高値の102.99からは、なお5%超低い水準にある。
国際通貨基金(IMF)はこの日、2020年の世界経済成長率見通しをマイナス4.9%とし、4月時点のマイナス3%から下方修正。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が経済活動にもたらした打撃が当初の予想以上に幅広く深刻との認識を示した。
また、米通商代表部(USTR)は航空機紛争の一環として、欧州連合(EU)の製品に対する関税や税率変更を検討していると表明した。
ユーロEUR=は対ドルで0.43%安の1.1257ドル。前日には欧州の経済指標を手掛かりに1週間ぶりに1.1348ドルまで上昇していた。
ドル/円JPY=は0.39%高の106.93円。前日は5月7日ぶりの安値となる106.06円を付けた。
米ドルは対カナダドルで0.46%高の1.3607カナダドル。格付け会社フィッチ・レーティングスは、カナダのソブリン格付けを「AAA」から「AAプラス」に引き下げた。新型コロナ感染拡大を受け公的財政の悪化が予想されるため。
ニュージランド(NZ)ドルNZD=で1.29%安の0.6405米ドル。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)はこの日、政策金利と資産買い入れ規模の維持を決定する一方、景気リスクは下向きとの認識から必要に応じて追加措置を講じる姿勢を示した。
ドル/円
NY終値 107.02/107.05
始値 106.52
高値 107.07
安値 106.51
ユーロ/ドル
NY終値 1.1250/1.1254
始値 1.1305
高値 1.1311
安値 1.1249