オンライン形式で株主総会に参加したSBGの孫氏
ソフトバンクグループ(SBG)は25日、東京都内で株主総会を開いた。孫正義会長兼社長はオンライン形式で出席し、2020年3月期決算が巨額赤字に陥ったことを「最大の責任は私にある」と陳謝した。一方、保有する株式価値が回復し、足元の業績は堅調だと強調した。
孫氏が重要視する保有株式の総額は、6月時点で30兆円に上り、新型コロナウイルスの感染拡大前の昨年12月末より1兆円増えたとアピールした。傘下の中国ネット通販大手・アリババ集団などが好調なためで「業績に対する自信はむしろ深まった」と話した。
3月に発表した4・5兆円の資産売却計画も8割の調達にメドが付いたとし、「絵に描いた餅と何度も言われたが現金にした。それ以上何が言いたいんだと言い返したい」と強気な孫節も披露した。
しかし、主力の投資ファンド事業の先行きには不透明感も残る。10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に続く2号ファンドは、資金が集まらずに大規模な新規投資は凍結されている。
株主からは退任時期を尋ねる質問が出た。現在62歳の孫氏は従来、60歳代で一線を退く意向を示していたが、「69歳の誕生日を過ぎたら退場とは言わないでほしい。今のうちに修正しておく」と、70歳以降の続投に意欲を見せた。
総会では、アリババの創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が25日付でSBGの取締役を退任したのに合わせ、自身もアリババの取締役を退任したことも表明した。