• 不動産購入の印紙税減税や外食、ホテルのVAT引き下げ
  • 雇用維持した企業には復帰した従業員1人につき1000ポンドを支給

スナク英財務相は8日、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた国内経済をてこ入れするため、大胆な景気支援計画を発表した。不動産購入や外食時の減税、雇用を保持した企業への新たな報奨金などを打ち出した。

  スナク財務相は下院での演説で、「英国は甚大な経済的困難に直面している」と述べ、「英国経済はわずか2カ月で25%縮小した。成長させるのに18年かかった規模に匹敵する」と指摘。従業員の雇用を維持する企業を支持するとともに、雇用を守り家計に信頼感を与えるためには何でもすると約束した。

  財務相が打ち出したパッケージは総額300億ポンド(約4兆500億円)規模。来年3月31日まで印紙税の免除対象とする不動産購入価格の上限を50万ポンドに引き上げるほか、レストランやホテル、観光施設での付加価値税(VAT)を向こう6カ月間は20%から5%に引き下げる措置などが盛り込まれている。

  さらに一時帰休の従業員の職場復帰を確実にするため90億ポンド規模の報奨金制度を設定。雇用主が一時帰休させている従業員を復帰させ、来年1月末まで継続して雇用する場合、雇用主に対して復帰した従業員1人につき1000ポンドを支給する。

  与党・保守党内からも債務増大の回避を求める声が出たが、スナク財務相は政治的なイデオロギーで気後れすることはないと述べ、「問題が生じれば、それに立ち向かう。支援が正当であれば、提供する。課題が持ち上がれば、乗り越えていく」と表明した。

NAMECOST
Job Retention BonusUp to 9.4 billion pounds
Kickstart Program2.1 billion pounds
Boosting work-searches, skills and apprenticeships1.6 billion pounds
VAT cut for hospitality4.1 billion pounds
Eating out vouchers0.5 billion pounds
Infrastructure spending5.6 billion pounds
Public sector de-carbonization1.1 billion pounds
Green homes grant2 billion pounds
Stamp duty cut3.8 billion pounds
TotalUp to 30 billion pounds

原題:Sunak Announces 30 Billion-Pound Plan to Save U.K. Economy(抜粋)