「黒人の命も大切だ」と訴える黒人の看護師たち=6月4日、ニューヨーク(AFP時事)
「黒人の命も大切だ」と訴える黒人の看護師たち=6月4日、ニューヨーク(AFP時事)

 【ワシントン時事】米疾病対策センター(CDC)は10日、米国内の新型コロナウイルスによる死者に占める黒人やヒスパニックなど人種的少数派の割合が、人口全体でみた人種構成と比べ大幅に高いとする調査結果を公表した。とりわけ比較的若い「現役世代」で白人と非白人の差が顕著に表れ、米社会の人種間格差を改めて浮き彫りにした。

新型コロナは弱者を狙う

 全米の人種構成は白人が60%、ヒスパニックが18%、黒人が13%とされる。2月12日~4月24日に確認された新型コロナによる死者のうち、1万人余りを対象としたCDC調査では、白人は35%にとどまり、黒人が25%、ヒスパニックが24%をそれぞれ占めた。

 さらに65歳未満の死者に限ると、白人が18%だったのに対し黒人は30%、ヒスパニックは34%と逆転した。死亡時の平均年齢も白人は81歳で、ヒスパニックや黒人は71~72歳。比較的若くして感染し死に至る人が、非白人に多いことを示している。