[香港 14日 ロイター] – 香港は新型コロナウイルスの発生以降で最も厳格なソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)確保などの行動制限を15日から導入する。大規模な感染拡大の恐れがある中、対応を強化する。
新たな制限では、公共交通機関でのマスク着用が義務化され、レストランは店内飲食が禁じられ、午後6時以降の持ち帰りサービスのみとなる。
公共交通機関のマスク義務化と店内飲食禁止は香港が新型コロナ感染の第1波と第2波に見舞われた際には取られなかった措置。公共交通機関でマスクを着用しなければ5000香港ドル(645米ドル)の罰金の対象となる。
香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は13日、集会の人数制限を従来の50人から4人に変更すると発表。3月に起きた感染第2波での対策を再び講じる。ジムやゲームセンターなどは1週間閉鎖される。
香港政府は13日遅くの声明で「最近の感染経路不明者の発生は、市中感染の持続的で静かな広がりを示している」と指摘した。
保健当局によると、14日に確認された新型コロナ新規感染者は48人。うち市中感染者は40人。1月下旬以降の感染者は累計1500人を超え、死者は8人となった。
保健当局の高官は「きょう報告された感染者の半数は、感染経路が分かっていない。感染は広がりやすいため、非常に憂慮される」と述べた。