中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が開発中の新型コロナウイルスワクチン候補が中期臨床試験で有望な結果を示し、次の段階に進む見通しとなった。欧米勢を中心とした競合製薬大手とのワクチン開発競争は激しさを増している。

  医学誌ランセットに掲載された試験結果のリポートによると、カンシノのワクチン候補は安全性と免疫反応の誘導が確認された。ただ、ワクチン接種後に新型コロナの感染リスクがある状況に身を置いた参加者はいなかったとし、実際に感染から守られたかどうかはこの試験から判断できないと指摘した。

  この結果により、カンシノがワクチン開発競争の先頭にいることがあらためて裏付けられた。候補薬が販売許可を得るまでにヒトに対して3段階の治験が必要だが、カンシノはこれで第2段階まで完了。20日は英オックスフォード大学が同国製薬大手アストラゼネカと共同で開発を進めているワクチン候補も有望な結果が明らかになったが、まだ第1段階の結果だ。

原題:CanSino Coronavirus Vaccine Shows Promise in Mid-Stage Study(抜粋)