[アトランタ 21日 ロイター] – 新型コロナウイルス感染再拡大に歯止めがかからない米テキサス、フロリダ、ジョージア3州で21日、厳格な制限措置の導入を訴える地元当局者とそれに反対する州知事の間で衝突が起きている。
米国の新型コロナ感染症による死者は2週間連続で増加。感染者も7週連続で増加している。ロイターの算出によると、7月に入り32州で1日の新規感染者数がこれまでの最多を記録した。
フロリダ、ジョージア両州では前日に新型コロナ感染症による入院者が最多に達した。テキサス州でも週末に入院者が1万0600人と最多を更新した。
テキサス州のアボット知事はこの日、匕ダルゴ郡が求める住民への外出自粛要請を退け、マスク着用やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の維持で十分との認識を示した。同郡では過去1週間で感染者が59%増加し、死者も倍増した。
ジョージア州では、同州最大都市アトランタ市民に公共の場でマスク着用を義務付けたボトムズ市長とケンプ知事の対決が続く。ケンプ知事はボトムズ市長を提訴した。
フロリダ州では、8月に学校の全面再開を命じたデサンティス知事を相手取り、教員組合が訴訟を起こした。同州では過去7日間中6日、1日当たりの新規感染者が1万人超となっているほか、先週には新型コロナ検査の陽性率が平均19%に達し、市中感染が起きていることを示唆した。
フロリダ、ジョージア両州では、州全体でのマスク着用は義務化されていない。テキサス州のアボット知事は先月、大半の郡で義務化した。
ニューヨーク州のクオモ知事はこの日、新型コロナ感染が再拡大しているアラスカ、デラウェア、インディアナ、メリーランド、ミズーリ、モンタナ、ノースダコタ、ネブラスカ、バージニア、ワシントンの10州からの訪問者に対し、14日間の隔離を義務付ける方針を表明した。
これまで隔離の対象となっていたミネソタ州は外れ、計31州からの訪問者が対象となる。
国内で新型コロナ感染者および死者が増加しているものの、トランプ大統領はこの日に再開する記者会見で新型コロナ対応の成果をアピールし、ワクチン開発などに関する明るい情報を強調する見通し。朝方にはツイッターへの投稿で「中国ウイルスに関し、フェイク(偽)ニュースでは耳にすることのない情報を伝える。他の大半の国が苦しんでいる一方、われわれの状況は良好だ。他のほとんどの国ができなかったことをわれは成し遂げた!」と述べた。