[21日 ロイター] – 米ニューヨーク市のデブラジオ市長は21日、トランプ大統領が人種差別に対する抗議デモ対応でニューヨーク市に法執行機関の連邦要員を派遣する計画を実行すれば、法廷闘争に持ち込むと述べた。
トランプ大統領は前日、抗議デモが続くニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、デトロイトなどの主要都市に連邦要員を派遣する計画を明かし、こうした都市の市長は「リベラルの民主党だ」と述べた。市長と州知事が民主党のオレゴン州ポートランドでは先週、連邦職員が抗議デモの取り締まりを開始し、反発が広がっている。
デブラジオ市長は、単なる脅しである可能性があるとしつつも、実行されれば、ニューヨーク市は法廷で闘うと表明。その上で「この大統領は虚勢を張り、実行すると表明しつつも、実行されないのが日常だ。発言は真実でないことも多く、過大評価すべきでない」と述べた。
シカゴのライトフット市長も法廷闘争を辞さない構えを示しつつも、「現時点でトランプ政権がシカゴに非武装の連邦職員を実際に派遣することはないと理解している」と語った。
フィラデルフィアのケニー市長は、連邦要員投入は裏目に出ると指摘。「ホワイトハウスは新型コロナウイルス対応で、何カ月も連邦政府としての責任を回避してきた。このような形で連邦介入することは、皮肉で不快だ」と批判した。
ミシガン州のウィットマー知事(民主党)は、トランプ大統領がデトロイトへの連邦要員派遣の可能性を示唆したことを受け、「政治的動機に基づく脅し」と述べた。
マクナニー大統領報道官は、要員派遣について、国土安全保障長官が連邦政府の所有地保護などを目的に連邦職員を代理に任命することを可能とする連邦法によって正当化されると主張した。
オレゴン州司法長官は先週、国土安全保障省を提訴し、連邦要員を阻止する命令を連邦判事に求めている。