[北京 23日 ロイター] – 中国外務省の汪文斌報道官は23日、テキサス州ヒューストンの中国総領事館が知的財産を窃取しているとする米国の主張は悪意のある中傷だと非難した上で、米国の対応は両国関係を激しく損なうもので、報復は必至と表明した。ただ、報復の具体的な内容には言及しなかった。 

米国は22日、「知的財産や個人情報の保護」を目的に領事館の閉鎖を命じたことを明らかにした。 

汪報道官は「中国は必要な措置を講じるとともに正当な権利を保護しなければならない。これは両国民の友好的な絆を引き裂くことになる」と述べた。 

また、ビザに関する詐欺行為や軍との関係を隠蔽した罪に問われた中国の研究者がサンフランシスコの中国領事館に身を隠しているという報道に関する質問には、米国に滞在する中国の学者への嫌がらせや弾圧のために口実を使うのをやめるよう米国に求めるとした。 

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、中国は四川省成都の米総領事館を閉鎖する可能性がある。ロイターは前日、中国が湖北省武漢市の米総領事館の閉鎖を検討していると報じた。 

中国共産党系メディア、環球時報の胡錫進編集長は、香港にも大規模な米総領事館があると言及。「総領事館が情報の中枢であることは明白で、閉鎖しないにせよ、職員を100人か200人に減らすことはあり得る。これだけでも米政府にとってはかなりの打撃になる」と述べた。 

米総領事館はこの他、広東省広州、上海、遼寧省瀋陽にある。米国の中国総領事館は、ヒューストンの他、カリフォルニア州サンフランシスコ、ロサンゼルス、イリノイ州シカゴ、ニューヨークに置かれ、ワシントンには中国大使館がある。 

ある米当局の幹部は、ヒューストンの総領事館閉鎖の理由について、一つの事由がきっかけになったわけではないとし、同総領事館が違法もしくは疑わしい中国の外交活動に継続的に関与していたためとの見方を示した。