河野太郎・行政改革担当相は17日未明、首相官邸で就任会見を行った。河野氏は、新内閣が発足した際、各閣僚が深夜に及ぶまで順番に首相官邸で会見を行う慣例を批判。「この会見も各省に大臣が散って行えば、もういまごろみんな終わって寝ている。さっさとやめたらいい」と述べ、会見のあり方を「前例主義」とみて疑問を呈した。
組閣のあった16日は、菅義偉首相が午後9時に初の会見を開いた。その後、初閣議が開かれ、加藤勝信官房長官の会見が始まったのは午後10時50分ごろ。これを皮切りに、菅内閣で就任した閣僚20人が順番に会見した。
河野氏の出番は15番目で、会見が始まったのは翌17日午前1時ごろだった。河野氏はこの形式について「前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ」と切って捨てた。
菅義偉首相は、縦割り行政の打破や規制改革を前面に掲げており、河野氏の行革相起用は目玉人事だった。河野氏は会見で「価値を作り出す規制改革をやらなければならない」と強調。「霞が関のブラックなところを是正しないと良い人材が集まらない。いまの人材ですら逃げていってしまいかねない」と危機感をあらわにした。
閣僚らの就任会見は、井上信治・万博担当相で最後となり、終了時刻は午前1時45分だった。(安倍龍太郎)