【ロンドン時事】複数の世界的な大手金融機関が過去20年近く巨額のマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されていた疑いがあることが、米政府の内部文書で発覚した。取引総額は計2兆ドル(約209兆円)に上る規模だという。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がホームページ上で20日に公表した資料で明らかになった。

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 これを受け、21日の株式市場では不正送金を許したと名指しされた金融機関の株価が軒並み急落。世界的な株安につながる懸念も浮上している。

 マネロン疑惑は、各金融機関が米財務省金融犯罪取締局に提出した疑わしい取引に関する報告書について、米ニュースサイト「バズフィード」が入手し、ICIJと共同で調査したことがきっかけ。1999~2017年の取引が対象となっている。

 ICIJは公表資料で、主に舞台となった金融機関として、米JPモルガン・チェース、米バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、英HSBCホールディングス、英スタンダード・チャータード、ドイツ銀行の名前を列挙。これらの金融機関幹部は詐欺や麻薬取引などの犯罪に関連した資金であると把握しながら、不正送金を許可していた疑いがあると指摘している。

 21日の株式市場では金融大手の株価が急落。HSBCは前週末比6%超の下落となり、90年代後半以来の安値を付けた。スタンダード・チャータードも5%超の下げとなった。