【香港時事】香港立法会(議会)の多くの民主派議員は21日から実施される世論調査で、過半数の支持者が望んだ場合、10月以降の立法会への参加を拒否し辞職する方針を固めた。

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 香港政府は新型コロナウイルスを理由に、6日に予定されていた立法会選挙の1年延期を決定。中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が現職議員の任期延長を決めたが、これに反発する市民からは「議会をボイコットすべきだ」との声が高まっていた。

 現在の立法会は親中派が41人、民主派が24人という構成。24人のうち世論調査で進退を決定するとしている議員は15人だが、他にも独自に離任を表明している議員もおり、場合によっては民主派勢力の大半が辞職する事態になる。8月に行われた調査では、民主派支持者のうち6割超が「現職の留任に反対」と答えていた。

 ただ、反対勢力がいなくなることで、立法会はこれまで以上に親中派の意のままになるほか、この機に乗じて「中国側が選挙制度を都合良く改変するのではないか」という懸念も出ている。今回の世論調査を主導している民主派最大政党の民主党も、党としては留任の意向が強く、民意との板挟みになっている。