- 連邦地裁判事が前日下した判断理由の説明、28日になって公開
- ティックトックによる脅威についての証拠「まだ不十分」-判事
米ワシントン連邦地裁のカール・ニコルズ判事は、トランプ政権が発動しようとしていた動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の配信禁止を一時的に差し止めた前日の判断ついて、米政府による越権行為の可能性を理由として挙げた。
差し止め命令が出されなければ、米東部時間27日午後11時59分(日本時間28日午後0時59分)に配信禁止措置が発動していた。同判事が下した判断の理由は、米政府の訴えの一部に企業秘密情報が含まれていたとの理由で、28日になって公開された。
トランプ政権は配信禁止令を発表する際、国際緊急経済権限法を根拠としていた。同判事は、米政府が同法の下で法的権限を越えたと証明することにティックトックの親会社である北京字節跳動科技(バイトダンス)は成功する可能性が高いと指摘した。
トランプ大統領は、ティックトックの運営会社が中国企業であることを理由に国家安全保障上の脅威があると主張してきた。同判事は、中国が国家安全保障上の脅威であるという「十分な証拠」を米政府は提供したが、ティックトックによってもたらされる脅威の証拠については「まだ不十分」だと述べた。
判事はアプリ配信禁止に対する一時差し止めは認めたが、11月12日に予定される米国内でのアプリ使用をさらに制限する一連の禁止措置については差し止めを命じなかった。
原題:TikTok Ban by Trump Likely Exceeded Authority, Judge Says (1)(抜粋)