[ブラジリア 28日 ロイター] – ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領が11月の大統領選で勝利した場合、中国に対する強硬姿勢を維持する必要があるとしつつも、焦点は関税よりも産業政策に当てられるとの見通しを示した。
トランプ大統領に批判的なクルーグマン氏はロイターとの電子メールでのインタビューで、「米中関係は複雑だ。米国には真の不満がある半面、トランプ大統領の貿易戦争に大きな支持はない」とし、「そのため、バイデン氏は中国との対決を続けるだろうが、軸足をより産業政策に置き、他国を連携させるなど、異なるアプローチが取られるだろう」と述べた。
トランプ大統領が再選すれば、米中関係は「非常に悪化する」と予想した。
また、いずれの候補者が勝利しても、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡る問題は引き続き争点になるとの認識を示した。
米経済については、コロナ禍によって増大した短期的な不透明性に加え、労働需要の構造的変化や長期停滞が最大の課題と指摘。「貯蓄が投資意欲を上回る状況は、低金利を招き、景気低迷への対応能力を限定的にする」と述べた。