[16日 ロイター] – 米製薬大手ファイザーPFE.Nは16日、ドイツのバイオ医薬品ビオンテック22UAy.Fと共同で開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、11月下旬に米当局に緊急使用許可(EUA)を申請する公算が大きいと表明した。トランプ米大統領の見方に反して、来月3日の大統領選前にワクチンが用意できる可能性は大きく後退した。
アルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は書簡で「良好なデータが得られれば、ファイザーは11月第3週に主要な安全基準が達成された後、直ちに米国で緊急使用許可を申請する」とした。
米モデルナMRNA.Oも年内に新型ウイルスワクチンの緊急使用許可を申請する可能性がある。
トランプ大統領はこれまでも繰り返し、大統領選前にワクチンが用意できるとの見方を表明。ホワイトハウスのジャッド・ディア副報道官はファイザーの発表を受け、「トランプ氏は年内にワクチンが用意できると引き続き楽観視している」と述べた。
みずほのアナリスト、ダミル・ディバン氏は、ファイザーが政治ではなく科学に基づき意思決定が行われていることを示そうとしていると指摘。「ワクチンの市場投入は全体のごくわずかな部分にすぎない。人々が接種を受けたいと思うようにならなければならない」と述べた。