長らく「紙」が主流だった学校と保護者のやりとりは、どこまで変わるのか。文部科学省が20日、紙につきものだった押印を省き、デジタル化を進めるよう、全国の教育委員会に通知した。保護者や学校関係者からは「便利になる」と歓迎の声が上がる一方で、教員の負担が軽減されるのか疑問視する声もある。

 高1と小6の息子がいる東京都内の女性は「すごくありがたい改革」と喜ぶ。

 長男が通う私立高校ではデジタル化が進んでおり、欠席連絡はアプリに入力。先生への連絡や相談もメールでできる。一方、次男の通う公立小学校では「お便り」はすべて紙。なくしたり、ランドセルの中で眠らせていたりすることも少なくない。

 親が深夜まで仕事で、すぐに対応できない家庭もあり、押印して提出しなければ参加できない水泳指導などの書類は、自分で押印している子もいると聞く。女性は同じクラスの保護者でLINE(ライン)グループを作り、「今日、これ提出です」などと情報交換して、提出忘れがないようにしてきた。

 「担任に相談があって電話しても、会議や授業でなかなかつかまらないこともあり、メールでやりとりできたら本当に便利です」

 小4と小2の子どもがいる堺市の女性も「習い事や町内会もデジタル化が進んでいて、学校だけ紙での連絡が多いのは違和感があった」と、デジタル化を歓迎する。

 子どもが持ち帰るプリントには、PTAの役員募集など重要な連絡がある一方、ほとんどは学校の近況報告や生活上の注意といった内容で、「これならメールで十分」と感じていたという。「出先で仕事のシフトを決めるときも、学校行事や子どもの予定がスマホで確認できればすごく便利。いつも紙を持ち歩くわけにはいかないから」

プリントの量、調べると…

 デジタル化が進めば、日本語を…