[ワシントン 21日 ロイター] – 米民主党のペロシ下院議長は21日、追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議が合意に至る可能性はまだ残されているとしつつも、議会通過は大統領選後になる可能性があるとの認識を示した。
ペロシ氏はMSNBCに対し、11月3日の大統領選前の議会通過を望んでおり、「私は楽観的だ」と強調しつつも、共和党のマコネル上院院内総務が議会採決を選挙後に実施する考えである可能性を示唆した。
ホワイトハウスのモーゲンスターン報道官は、政権ができる限り早期の合意を望んでいるとしつつも、「選挙後の方が事が容易に運ぶ可能性があるとの声が与野党双方から上がっていることを認識している」と語った。
ペロシ氏とムニューシン財務長官による追加コロナ経済対策を巡る協議はこの日も継続。ペロシ氏の報道官は、「きょうの話し合いで法案の実現にさらに近づいた」と述べた。22日も協議を継続する。
規模は民主党が求める2兆2000億ドル相当となる可能性があるが、上院共和党は2兆ドル規模の追加対策に反対を唱えている。
しかし、メドウズ大統領首席補佐官は記者団に対し、ペロシ、ムニューシン両氏による超党派合意が上院通過に必要な票獲得につながることを確信していると述べた。
また、上院議員らとの昼食後、FOXニュースに対し、ホワイトハウスが現在、1兆9000億ドル規模の対策を見込んでいると明かした上で、議員らが規模だけでなく対策の中身にも懸念していると述べた。
共和党議員の中には、選挙後に支援策成立がより難しくなるかもしれないという声もあり、ブラント上院議員は、「今年やるとしたら、今しかないと思う」と述べた。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は同日、コロナ経済対策を巡る下院民主党指導部との協議について、「晴れ晴れしく楽観的」との見方を示した。
CNBCテレビとのインタビューで「状況は好ましい方向に向かって進んでいる。何ら確約はできないが、見通しは明るさが増している」と語った。
メドウズ氏はFOXビジネス・ネットワークに対し、州・地方政府向け支援が最大のネックになっていると認めた上で、交渉は新たな段階に入っており、技術的な面に一段と焦点が移行しているものの、折り合いがついていない問題も複数あると述べた。