【香港時事】香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は27日、香港の活動家4人が政治亡命を求めて米総領事館に駆け込んだと報じた。香港警察は同日、香港独立を志向する団体「学生動源」元代表の鍾翰林氏(19)を国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕。4人が駆け込んだのはその数時間後だったが、入館は許可されなかったという。

「独立思想広めた」教師失職 当局、現場への介入強化―香港

 鍾氏は7月にも国安法違反容疑で逮捕、保釈されている。今回の再逮捕では、インターネット上に「国家分裂を扇動する」内容を投稿した疑いが持たれており、27日は他にも学生動源の元メンバー2人が逮捕された。団体は6月末の国安法施行直前に香港での活動停止を表明している。

 報道によれば、鍾氏は27日朝、米総領事館から50メートル圏内の喫茶店で当局に拘束された。総領事館に保護を求める直前だったとみられている。

 香港では、欧米など諸外国への亡命を希望する活動家らが急増。同紙によると、オーストラリアやカナダ、英国など5カ国で香港市民が亡命申請したケースは、今年に入り少なくとも180人に上り、2018年の62人から3倍に膨らんだ。このうち豪州は9月時点で136人と最多で、18年の約50人から急増。カナダでは6月時点で25人が保護を求め、2年前の2人から大幅に増えた。