[ニューヨーク 4日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対 し上昇。米民主党が上院で過半数を獲得できない見通しになり、大規模 な財政支出への期待が後退した。
3日に投開票された米大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決 まらない大接戦となっている。民主党候補のバイデン氏は中西部の激戦 州2州でリードを保つ一方、トランプ大統領は一方的に勝利宣言し、選挙違反があったという根拠のない主張を展開した。
予想された「ブルーウェーブ」(民主党の圧勝)は起こらず、共和党が上院の多数派を維持する見込みで、大規模な支出拡大には反対するとみられている。 CIBCキャピタル・マーケッツの北米外為戦略部門責任者、ビパ ン・ライ氏は「共和党が上院を制した場合、追加の景気刺激策を実施するのは極めて難しくなる」と指摘。「そうなれば、これまでの「ブルー ウェーブ」を見越した取引の一部は解消される必要があるだろう。ドル にとっては、おそらく売りポジションの手じまいになる」と予想した。
ドル指数は0.27%高の93.39。オーバーナイト取引 では1カ月ぶりの高値となる94.31を付けた。ユーロは0.09%高の1.1722ドル。一時は7月24 日以来の安値となる1.1602ドルまで下げた。ドル/円はほぼ横ばいの104.44円。
開票状況でバイデン氏がリードしているとの見方から、オフショア 人民元は午後の取引で1ドル=6.6190元と、2年超ぶりの 高値に上昇。元はオーバーナイト取引で1カ月ぶり安値の6.7741 元を付けていた。
この日はリスク選好度が強まり、株式市場の上昇でドル上昇が限定 的になった可能性が高い。ただ、選挙結果を巡り法的で争われる可能性 から、今後数日から数週間の間にリスクテークが後退する可能性もあり 、そうなればドルはさらに押し上げられる見込み。
OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は 「選挙結果を巡って争われ、裁判になることは誰も望んでいない」とし 、確実性がなければリスク回避の動きが続くことになると述べた。
トランプ陣営はこの日、ミシガン州での集計作業停止を求めて提訴 し、開票済みの投票用紙の再集計を要求した。
ドル/円
NY午後4時 104.51/104.52
始値 104.46
高値 104.62
安値 104.16
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1714/1.1718
始値 1.1707
高値 1.1745
安値 1.1681