オーストラリアの輸出各社が警戒を強めている。豪州最大の輸出市場である中国の政府が商社に対し、少なくとも7種類の商品を対象に豪州からの購入を6日までに停止するよう命じているためだ。
中国政府が輸入停止を指示したのは、豪州産の石炭や大麦、銅鉱石・銅精鉱(コンセントレート)、砂糖、木材、ワイン、ロブスターなどだと事情に詳しい関係者が先に明らかにしていた。非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者の1人によれば、輸入停止は6日に始まる。
中国が豪州の主要商品の輸入停止へ、報復措置で緊張高まる-関係者
中国外務省の報道官は「関連する豪州産品の輸入減少は企業独自の行動によるものだ」と主張している。
豪コモンウェルス銀行エコノミクスは6日の電子メールで、標的となっている産品は2019-20年で豪全体の輸出(サービス除く)の約7%を占め、271億5000万豪ドル(約2兆円)相当だと説明した。
中国が商品取引会社に口頭で伝えたブラックリストには、豪州からの輸入を止めれば自国経済に打撃が及ぶ鉄鉱石や天然ガスといった資源は含まれていないという。
バーミンガム豪貿易・観光・投資相は報じられている輸入制限は差別的行動はないとする中国側の主張と矛盾すると指摘。「中国政府が言動を一致させ、これらの問題が解決されることを望んでいるが、業界が抱いている懸念の範囲や度合いがひどく深刻である事実を否定することはできない」とラジオ局5AAの番組で述べた。
原題:Australia on Edge as China’s Trade Deadline Arrives、China Turns to Lobsters, Wine and Coal to ‘Punish’ Australia (1)(抜粋)