【モスクワ時事】ロシアは米大統領選でのバイデン氏勝利を受け警戒感を強めている。ロシアに融和的な言動が目立ったトランプ氏と比べ、バイデン氏は「反ロシア的」(プーチン大統領)で、ロシアに対し厳しい立場で臨むと予想している。

【特集】米大統領選~バイデン氏が勝利宣言~

 バイデン氏は選挙戦中、ロシアは米国や同盟国の安全保障上「最大の脅威」と発言。ロシアのペスコフ大統領報道官は「全く同意できない。ロシアに対する憎悪が広められ、敵として位置付けられているのは遺憾だ」と反発した。

 プーチン政権は、バイデン氏が副大統領を務めたオバマ前政権とシリア内戦やウクライナ危機などをめぐって対立し、米ロ関係は悪化の一途をたどった。こうした経緯もあり、バイデン氏が対ロ強硬外交を進め、欧州の同盟国と連携してロシアを封じ込める事態を恐れている

 一方、バイデン氏は米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の延長を明言しており、プーチン氏も評価。ロシアとしては核軍縮分野の協調で対話の糸口を探りたい考えだ。