中国の習近平国家主席は11日、協力強化と対立回避を各国に呼び掛けた。一方、太平洋地域で習氏は次期米政権との衝突が避けられそうにない、中国の権利を強く主張する政策を進めている。

  習主席はマクロン仏大統領主催で世界各国の首脳が参加したビデオ会議で、国際問題における「覇権」に中国は反対するとあらためて表明した。覇権という言葉は、中国が米国の行動を表現するために用いることが多い。習氏はまた、新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)終息後の「回復を連携して促進するため、開放と協力」を各国に求めた。

  先週の米大統領選の結果が明白になって以降、習氏が主要な発言をするのはこれが初めて。同大統領選やバイデン次期大統領の勝利については言及しなかった。

  習主席は「安定したグローバルサプライチェーン」の必要性、および多国間協調の重要性も訴えた。

  バイデン氏は中国の近隣地域における独断的な政策や人権侵害問題をたびたび批判しており、2月のテレビ討論では習氏を「悪党」だと呼んだ。

原題:Xi Urges Cooperation as His Policies Signal Rising Tensions (1)(抜粋)