アメリカ大統領選挙は、投票日から10日たった13日、ABCテレビが南部ノースカロライナ州でトランプ大統領が、ジョージア州でバイデン前副大統領が、それぞれ勝利を確実にしたと伝えました。

これによって50州すべてで勝利確実が出たことになり、最終的に獲得した選挙人の数はバイデン氏が、当選に必要な270人を大きく上回る306人、トランプ大統領が232人となりました。

こうした中、トランプ陣営が続ける法廷闘争をめぐり、各地で相次ぐ訴訟のうち、東部ペンシルベニア州の裁判を担当する陣営の弁護団が裁判への関与をやめると明らかにしました。

弁護団は12日深夜、裁判所に提出した文書で「われわれが身を引くことが原告のためになると双方が同意した」としています。

トランプ陣営による法廷闘争をめぐっては、先週、西部アリゾナ州でも裁判を担当していた弁護団が弁護をやめることを明らかにしています。

トランプ大統領はメディアのインタビューで、「私が負けるほうに賭けないほうがいい」と述べるなど強気の姿勢を崩していませんが、大規模な不正があったとする主張を裏付ける証拠が示せない中、弁護団が相次いで撤退することで裁判の見通しは厳しいとの見方が広がっています。

また、選挙をめぐる混乱によって政治的な空白が生まれ、1日当たりの死者が1000人を超えて深刻な事態となっている新型コロナウイルス対策などに影響が出ているとして野党・民主党はトランプ大統領への批判を強めています。アメリカ大統領選挙について野党・民主党のペロシ下院議長は13日の記者会見で、「選挙はすでに終わっていて、バイデン前副大統領が7800万票の得票で大統領に選ばれた。共和党の議員は事実を受け入れ、直面している危機を認識し、一刻も早く新型コロナウイルス対策に取り組むべきだ」と述べ、共和党側に選挙での敗北を認め、協力して課題に対処するよう呼びかけました。

またペロシ議長は、前日、バイデン前副大統領と電話で話し、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている中小企業への支援策などについて話し合ったと説明し、民主党として新型コロナウイルス対策を適切に行っていく姿勢をアピールしました。