[ロンドン 26日 ロイター] – 欧州外為市場では、ユーロが対ドルで一時約3カ月ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。欧州での新型コロナウイルス感染拡大を巡る懸念が重しとなった。
序盤の取引では低調な米経済指標などを背景にドル売りが優勢だったが、後半に入るとリスク通貨が上げ幅を縮小。目先の不確実性などが意識された。
ドイツのメルケル首相は26日、新型コロナの感染拡大を抑制し、医療システムへの過度な負担を避けるために、当面は国民の生活に制限を強いることになるだろうと述べた。
米連邦準備理事会(FRB)が25日に公表した11月4─5日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、12月の次回FOMCで量的緩和策が強化される可能性が示されたことも、この日序盤のドル売りにつながった。
議事要旨では、先行きが不透明なため、少数の参加者はガイダンスに短期的な変更を加えることに消極的な姿勢を示したが、「多くの参加者が、近いうちに資産購入のガイダンスを強化することが望ましいと判断した」とされた。
MUFGの外為アナリスト、リー・ハードマン氏は、FRBが少なくとも月額1200億ドルの資産買い入れ継続に向けコミットする可能性があるものの、量的緩和の規模が必ずしも拡大されるとは限らないと指摘。ただ、「FRBの緩和的な政策が来年も米ドルの重しになり続けるとの見方を裏付ける」とした。
一方で「ドルショートがすでに積み上がっており、これが下方モメンタムを鈍らせ、ショートカバーのリスクをもたらすことを短期的に警戒している」と述べた。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.1895ドル。一時1.1941ドルと9月1日以来の高値を付けた。ドル指数は0.1%高の92.12。一時91.84と3カ月ぶりの安値を付けた。
スウェーデンクローナは対ドルで0.6%安の8.5380クローナ、対ユーロで0.4%安の10.1585クローナとなった。
スウェーデン中央銀行は26日、主要政策金利を予想通りゼロ%に据え置く一方で、量的緩和措置である資産買い入れプログラムの規模を2000億クローナ(234億7000万ドル)拡大し、期間も2021年末に延長すると発表した。
欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるフィリップ・レーン専務理事は26日、インフレ率の低下をさらに長期間容認した場合、消費や投資に悪影響を及ぼすほか、期待インフレの低下も根付かせることになるという考えを示した。
ノルウェークローネは対ドルで一時8.8160クローネと3カ月ぶりの高値に上昇。終盤は0.5%安の8.8855クローネ。対ユーロでも0.5%安の10.5685クローネとなった。
豪ドルは0.1%安の0.7358米ドル。一時約3カ月ぶりの高値の0.7374米ドルを付けた。カナダドルはほぼ変わらずの1米ドル=1.3007カナダドル。
ポンドは0.4%安の1.3328ドル。一時3カ月ぶり高値の1.3399ドルとなった。対ユーロでも0.3%安の0.8926ポンドとなった。
<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード
ユーロ/ドル 1.1907 1.1926
ドル/円 104.24 104.32
ユーロ/円 124.15 124.41