【パリ=三井美奈】英国で新型コロナウイルスの変異種が確認されたのを受け20日、フランスやドイツ、イタリアなど欧州各国が英国からの渡航差し止めを決めた。イタリア政府は、伊国内で変異種ウイルスが見つかったと発表した。

 仏政府は21日零時から48時間、英国からの人の入国を禁じた。飛行機や国際列車、フェリーなど、英仏間を結ぶすべての交通手段を対象にした。英国からフランスへの帰国予定者には、PCR検査の実施を求めた。

 ドイツ政府は21日零時以降、英国からの飛行機乗り入れを禁止すると発表した。変異種ウイルスについて「ドイツでは見つかっていない」としている。

 イタリア政府の発表によると、変異種ウイルスが見つかったのは、英国から数日前に帰国した患者。ローマ市内でただちに隔離したとしている。

 欧州連合(EU)ではこのほか、オランダ、ベルギー、スウェーデン、アイルランドなどが、飛行機やフェリーなどによる渡航差し止めを表明した。EUは21日、加盟国による緊急会合で対策を協議する。

 変異種ウイルスについて英政府は14日、イングランド南部や東部で千件以上確認されたと発表。ジョンソン英首相は20日の記者会見で、従来種ウイルスより「感染力が最大70%高い可能性がある」と述べた。