[ワシントン/シカゴ 22日 ロイター] – 米国で22日、新型コロナウイルスの累計感染者が1800万人を突破した。ロイターの集計によると、感染者は過去6日に100万人増加し、死者も累計32万人に迫っている。

さらに英国では感染力が強いコロナ変異種が拡大しており、保健当局者は対応に追われている。

アザー厚生長官はFOXニュースに対し、米国で接種が始まったファイザーとモデルナのコロナワクチンがコロナ変異種の予防でも効果があるはずという認識を示した。

ファイザーとモデルナは変異種に対するワクチンの効果を検証中。ファイザーと共にワクチンを開発した独ビオンテックのサヒン最高経営責任者(CEO)は「ワクチンによる免疫反応が変異種にも対応できる公算が極めて大きい」と述べた。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では21日時点で、医療従事者を中心に60万人超が1回目のコロナワクチンを接種した。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はこの日、モデルナのワクチンを公開接種。アザー厚生長官や米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長も接種に臨み、ワクチン接種を国民にアピールした。

ファウチ氏はABCのニュース番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、コロナ変異種の感染状況を監視する必要があるとしつつも、渡航禁止など過剰反応すべきではないと釘を刺した。

また、新たな変異種がすでに米国に入っている可能性があるとした。

英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、米デルタ航空、ヴァージン・アトランティックの航空各社は前日、英国からニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に向かう路線について、新型コロナ検査で陰性が判明した乗客のみの搭乗を許可すると発表した。

ワシントン州のインスリー知事も前日、英国と南アフリカおよびコロナ変異種が確認されている国から同州に到着する旅行者に対し14日間の隔離措置を命じた。

関係筋によると、ホワイトハウスの新型コロナ作業部会では前日、英国からの渡航者にコロナ検査で陰性証明を取得するよう義務付ける方針が検討されていたものの、トランプ政権は当面、対策を取らないことを決定したという。

バイデン次期大統領の新型コロナ感染症アドバイザー、マイケル・オスターホルム氏はCNNで、英国の新たな変異種の感染拡大を阻止するためにあらゆる選択肢を検討する必要があると指摘。「われわれは国家的な対策を練る必要がある」とした。