[ニューヨーク 22日 ロイター] –
ドル/円 
 NY午後4時 103.67/103.68
    始値 103.37
    高値 103.73
    安値 103.32
ユーロ/ドル 
 NY午後4時 1.2155/1.2158
    始値 1.2241
    高値 1.2256
    安値  1.2153

 ニューヨーク外為市場では薄商いの中、ドルが上昇した。英国で見 つかった新型コロナウイルスの変異種に対する警戒が高まっていること で、米議会による追加経済対策可決を受けた楽観的な見方が相殺された 。

リスク選好の後退を受け、米株式市場でダウとS&P総合500種 が低下する一方、米国債に買いが入るなどの動きが出ている。

新型ウイルスの変異種については、米疾病対策センター(CDC) がこの日、米国ではまだ確認されていないとしたほか、アザー厚生長官 はファイザーとモデルナのコロナワクチンが変異種にも効果があるとの認識を表明。それでも市場で懸念は払拭されていない 。

 終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.6%高の90.6 75。ユーロは対ドルで0.7%安の1.2156ドル、ド ルは対円で0.4%高の103.70円。

アクション・エコノミクス(フロリダ州)のグローバル外為分析部 門責任者、ロナルド・シンプソン氏は「ドルは来年上半期に大きな圧力 にさらされ続ける」と予想。ただ「新型ウイルス感染が収束すれば、新興国市場での機会が増大する」と述べた。

 この日発表の米経済指標では、全米リアルター協会(NAR)発表 の11月の米中古住宅販売戸数が年率換算で前月比2.5%減の669 万戸と、6カ月ぶりにマイナスとなった。また、コンファレンス・ボード(CB)発表の12月の米消費者信 頼感指数は88.6と、前月の92.9から予想外に低下し、8月以来 の低水準となった。

米議会は前日、9000億ドル規模の新型ウイルス追加経済対策を 可決。トランプ大統領の署名を待っている。ただアナリストは、追加対 策はすでに織り込まれていたため、市場に目立った影響は出ていないと している。

 英ポンドは対ドルで0.9%安の1.3350ドル。ポン ドは対ユーロでも0.1%下落した。欧州連合(EU)が英国と続けて いる自由貿易協定(FTA)などの協議について、バルニエ首席交渉官 はこの日、交渉は重要な局面に入っており、EUは「最後のひと押し」 を行っていると発言。ただ、EUを離脱した英国が加盟国とほぼ同等に 扱われる「移行期間」の終了を31日に控え、両者の見解の相違はなお 埋められていない。