米議会を通過した9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策法案への署名をトランプ大統領が拒否し、政府機関の閉鎖を引き起こせば、同氏は任期の終わりに「混沌(こんとん)と窮状」を生み出したとして記憶されることになる。パット・トゥーミー共和党上院議員(ペンシルベニア州)がこう指摘した。

  トゥーミー議員はFOXニュースの番組で27日、トランプ政権は同法案を巡る交渉を支援していたとし、直接給付額の引き上げが必要だと考えるならトランプ氏は現行案を承認した上で追加の支援措置を議会に求めるべきだと述べた。

  大統領が主張する直接給付額2000ドル(約20万7000円)は、新型コロナウイルス感染拡大でも所得を失うことがなかった人たちにとっては多過ぎるとの見解を、同議員は示した。

  「トランプ氏は大きな給付額を主張したとして人々に記憶されることを望んでいると、私は理解している。しかし、この法案を廃案にしてしまったら混沌と窮状を招き、常軌を逸した行動を取ったとして記憶される恐れがある」と発言。「今の法案に署名し、その後に別の法案をまとめるよう主張するのが最善策だ」と話した。

撮影:Stefani Reynolds / Bloomberg

原題:Trump Risks Legacy of ‘Chaos and Misery,’ GOP Senator Says (2)(抜粋)