【ワシントン時事】米上院は1日、トランプ大統領の拒否権行使により審議差し戻しになっていた国防権限法を賛成80、反対12で再可決した。下院も先月28日、拒否権を覆すのに必要な3分の2以上の賛成で可決しており、同法は成立した。現政権下で拒否権が覆されたのは初めてで、トランプ氏の求心力低下が浮き彫りになった。
国防権限法は、2021会計年度の国防予算の大枠を約7410億ドル(約76兆円)と定めたほか、トランプ氏が目指すドイツやアフガニスタンからの米軍撤収を事実上阻止。トランプ氏が反対していた、奴隷制維持を主張した南部連合(南軍)将軍の名を冠した米軍基地の名称変更も義務付けた。