イタリアのコンテ首相が政権を存続させようと苦闘している。連立パートナーの一角が離脱し、少数与党に転落した。

  政党「イタリア・ビバ」を率いるレンツィ元首相は13日、コンテ首相がイタリアの問題に十分対処できていないと批判し、同党所属の閣僚を連立政権から引き揚げると発表した。同党が持つ議席数は少ないが、この離脱で連立与党は議会の過半数を失った。コンテ首相は来週、議会で信任投票を求める可能性があると、レプブリカなど各紙が報じた。

  それでもコンテ氏には、政権の維持または次の政権で首相として復帰する道がいくつかある。

  • コンテ氏は与野党や無所属の議員から支持を募り、信任投票を乗り切ろうとするかもしれない。この場合、ベルルスコーニ元首相のフォルツァ・イタリアなどの勢力に頼ることになる可能性がある。レプブリカ紙によると、コンテ氏はマッタレッラ大統領と、新たな景気対策と財政赤字に関する法案が通過するまでは、信任投票を実施しないことで合意している
  • コンテ氏の辞任もあり得る。そうなれば政党間で新たな組閣協議が行われ、最終的には再びコンテ氏を首班とする内閣が誕生する可能性もある
  • マッタレッラ大統領が次期選挙までの暫定政権を発足させる可能性もある。コンテ氏はその間に選挙に向けた準備ができる
  • 現在の連立与党と中道勢力などが結集し、欧州中央銀行(ECB)のドラギ前総裁などを首相に担ぎ出して連立政権を成立させようとするかもしれない
  • 解散総選挙のリスクはあるが、現時点で可能性はわずかしかなさそうだ。早期総選挙を命じる権限を持つマッタレッラ大統領は、新型コロナウイルスの感染危機の中で選挙を実施することに消極的とされる。イタリア政府は13日、新型コロナ対策の非常事態宣言を4月30日まで延長した

原題:Italy’s Conte Fights to Retain Power After Junior Ally Quits (1)(抜粋)