[ワシントン/シカゴ 14日 ロイター] – 20日のバイデン次期米大統領の就任式を控え、米首都ワシントンでは警備体制が強化されている。トランプ大統領の支持者が先週、連邦議会議事堂に乱入した事件を受け、連邦捜査局(FBI)はこれまでに、就任式を前に首都ワシントンや50州の州都で武装したデモ隊による抗議行動が計画されている可能性があると警告を発している。

騒乱の起きた議事堂や最高裁判所、米国議会図書館の周辺にはフェンスが張り巡らされ、道路が閉鎖された。一部の地下鉄駅は閉鎖され、バスの運行路線も変更される。

国立公園局は今週、ワシントン記念塔を24日まで閉鎖すると発表しているが、議事堂からリンカーン記念館までのナショナル・モールを閉鎖するかはまだ決定していないという。

ペンス副大統領はこの日、就任式のセキュリティー体制について説明する見通し。

航空各社やホテルも総じてセキュリティー対策を強化している。

デルタ航空のバスティアン最高経営責任者(CEO)はこの日、首都ワシントンエリアへの航空便で警察官以外の乗客が預け入れ荷物で銃器を輸送することを今週末から就任式開催日まで禁止するとCNBCで述べた。

さらに、同社の広報担当者は、マスク着用義務を果たしていないとして880人を搭乗拒否リストに追加したと発表。大統領選挙結果に関連する手に負えない振る舞いや他の乗客に迷惑をかけた人の搭乗も禁止したと述べた。

トランプ支持者による航空便での問題行為を受け、米連邦航空局(FAA)のディクソン長官は13日、取り締まりを厳格に行う「ゼロトレランス」(不寛容)政策の導入を各社に指示する行政命令に署名。3月30日まで維持されるとし、問題行為を行った乗客には最大3万5000ドルの罰金と懲役が科される可能性があると警告した。

先週には、ソルトレークシティー発ワシントン行きのデルタ航空の航空便で、トランプ氏の支持者がユタ州選出のミット・ロムニー上院議員を侮辱した。

アメリカン航空は16日から21日まで、ワシントンエリアの空港の発着便でアルコール飲料の提供を一時停止するほか、乗務員が滞在するホテルを都心から空港に近いエリアに移し、ワシントンエリアの空港での人員を拡充するとした。

また「乗務員の指示に従うこととマスク着用義務の順守の重要性を一段と強調するために出発前のアナウンスを改定する」とした。