[ワシントン 21日 ロイター] – 米民主党のペロシ下院議長は21日、トランプ前大統領に対する上院での弾劾裁判開始を巡り、向こう数日中に民主党内で協議する方針を明らかにした。
「議会議事堂での騒乱扇動に関するトランプ氏の役割を審理するための裁判をいつ開始できるか、幹部らと協議する」と記者団に語った。
関係筋によると、ペロシ氏は早ければ22日に弾劾条項を上院に送付する可能性がある。
下院は13日、トランプ氏支持者が連邦議会議事堂に乱入した事件を巡り、反乱を扇動したとしてトランプ氏の弾劾訴追決議案を可決。トランプ氏は2回の弾劾訴追を受ける米史上初の大統領となった。
上院は現在、民主党が実質支配しているものの、弾劾裁判でトランプ氏の有罪が決定するには議員の3分の2以上の賛成が必要となるため、裁判の行方は不透明だ。
共和党の上院議員の一部は、前職の大統領を裁くことで米国のさらなる分断を招く恐れがあるとして、否定的な考えを示している。
しかし、ペロシ下院議長は「退任したからといって、免罪になることはない」とし、「『過去のことは忘れて前に進もう』というのは、国を団結させる方法ではない」と述べた。