1月6日に米連邦議会議事堂で起きた反乱をトランプ前大統領が扇動したことに疑いの余地はないと、弾劾裁判の検察官に相当する民主党の弾劾マネジャーらが訴追理由を書面で説明した。

  2日に提出された80ページ近い文書は、1月6日にトランプ氏を支持する集団が米議事堂を襲撃し5人が死亡した事件について、トランプ氏の行動は反乱扇動の罪に値すると説明している。

  「1月6日に起きた事件の責任がトランプ前大統領にあることに間違いはない」と同文書は指摘。「上下両院合同会議を暴力で阻止する反乱を扇動することが弾劾に値しないとすれば、何が弾劾に相当するのか想像しがたい」としている。

  これに対し、トランプ氏の弁護団は、暴徒が議会を襲撃する前の同氏の言動に対する弾劾は「実質的に欠陥」があって違憲であり、退けられるべきだと反論した。

  弁護団を率いるデービッド・ショーン、ブルース・L・キャスター・ジュニアの両氏はこの日に提出した14ページの反論書で、1月6日のトランプ氏の支持者らへの演説は表現の自由などを定めた米国憲法修正第1条で守られていると主張。また、すでに大統領を退任したトランプ氏の弾劾裁判を行う憲法上の権限は上院にはなく、同氏の権利は性急な弾劾訴追によって侵害されたと訴えた。

トランプ氏、弾劾裁判控え新たな弁護士起用-週末に複数離脱後 (1)

  弾劾裁判は来週に上院で審理が始まる。この日は弾劾マネジャーからの訴追理由文書だけでなく、トランプ氏の弁護団が反論書を提出する締め切りとなっていた。

原題:Trump’s Lawyers Slam Impeachment ‘Hatred’ as Democrats File CaseTrump’s Guilt in Inciting Riot Is ‘Unmistakable,’ Democrats Say(抜粋)