[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米経済の方がユーロ圏経済より早くコ ロナ禍から回復するとの見方を背景に、ドルが対ユーロで2カ月ぶり高 値を更新した。
終盤の取引でユーロは対ドルで0.32%安の1.202ドルと、昨年12月初旬に付けた安値に迫った。年初からの下落率は 1.61%。
米議会では追加新型コロナ対策を巡る協議が進行している一方、欧 州では感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)が継続。ウエスタン ・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジ ョー・マニンボ氏は「経済成長の格差がユーロ相場の重しになっている 」とし、「経済の完全な回復に欧州は米国に約1年の遅れをとる可能性 がある」と述べた。
欧州連合(EU)統計局がこの日発表した第4・四半期のユーロ 圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.7%減となり、予想の1. 0%減を上回ったものの、今年第1・四半期はマイナス幅が拡大する恐 れがあるとの見方が出ている。コメルツバンクのストラテジストは「気 がめいるような状況だ」と述べた。
ドルは対円で105円を超える水準で推移。前日の取引 でこの水準を昨年11月中旬以来初めて超えていた。
主要6通貨に対するドル指数は0.25%上昇。特に円に対 する大規模なショートカバーもドルの支援要因になっている。
市場では、年初からのドルの上昇は昨年の下落に対する調整との見 方が大勢だが、ウエスタン・ユニオンのマニンボ氏は、こうしたドルの上昇は長続きしないと予想。「米雇用市場が改善し始めれば、ドルは納得できる形で上昇する」と述べた。市場では5日に米労働省が発表する1月の雇用統計が注目されてい る。
ドル/円
NY午後4時 105.00/105.03
始値 105.01
高値 105.17
安値 104.97
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.2035/1.2039
始値 1.2026
高値 1.2049
安値 1.2011