[8日 ロイター] – 米電気自動車(EV)メーカー大手テスラは8日、暗号資産(仮想通貨)のビットコインに約15億ドル投資したと明らかにし、テスラ車両や製品の購入でビットコインを受け付ける見通しとした。

テスラの発表を受け、ビットコインは一時4万4899ドルと、過去最高値を更新。直近では4万3300ドル近辺で推移している。

テスラは規制当局への提出文書で、ビットコイン購入は投資計画の一環で、資産の多様化とリターンの最大化が目的と説明。今後「時折もしくは長期的に、デジタル資産を購入、保有する」可能性があるとの見通しを示した。同社は、昨年末時点で193億8000万ドルの現金および現金同等物を保有していた。

さらに、「わが社は近い将来、適用法に沿って、まずは限定的に支払い手段としてのビットコイン受け入れ開始を想定している」と明らかにした。

マスク最高経営責任者(CEO)は1日、ビットコインが投資家の間でより広く受け入れられようとしているとの認識を表明。1月29日には自身のツイッターのプロフィールページに「#bitcoin」タグを使用した。

マーケッツ・ドット・コムのアナリスト、ニール・ウィルソン氏は、マスク氏の最近の発言やタグ使用などを考慮すると「市場操作の可能性について懸念が生じる」とした。

一方、仮想通貨の調査会社メサリのエリック・ターナー氏は「世界屈指の企業がビットコインを保有し、テスラ株を保有する投資家もビットコインへのエクスポージャーを持つことになる」とし、テスラの動きがビットコインを巡る形成を一変させ、「企業がビットコインへの資産分散を加速させる」可能性があると予想した。

市場では、テスラ以外にも資産運用大手ブラックロック決済サービスのスクエアペイパルなどが今後ビットコインに投資すると予想されている。

一方、ビットコイン急伸を受け、仮想通貨取引所のクラーケンは、ウェブサイトへのトラフィック増加で一時入会手続きができなくなったと発表。同業のジェミニなどでも障害が発生したと述べた。