[北京 24日 ロイター] – スウェーデンのファストファッション大手H&Mが中国・新疆ウイグル自治区における強制労働に「深い懸念」を表明した過去の声明を巡り、中国国内の交流サイト(SNS)で批判が噴出しており、少なくとも1つの大手ネット通販サイトが同社の商品を取り扱わなくなった。

H&Mは過去に、新疆で強制労働が行われているとの市民団体やメディアの報告について「深く懸念」しており、新疆から製品は調達していないと表明。強制労働の告発がある中国の供給業者との関係は段階的に解消するとした。

この声明は昨年、メディアによって報じられたもので、今になって蒸し返されている理由は不明。

アリババグループのネット通販サイト「天猫(Tモール)」では24日、H&Mの公式ストアが見つからなかった。

中国共産党の機関紙、人民日報は、京東集団(JDドットコム)と拼多多(ピンドゥオドゥオ)のネット通販サイトでH&Mを検索しても何も出てこないと報じた。ロイターは、以前に両サイトでH&Mの商品が購入できたかどうかを確認できなかった。

アリババ、JDドットコム、ピンドゥオドゥオはコメント要請に応じていない。

H&Mにとって中国は4番目に大きい市場で、2020年11月期の売上高は97億5000万スウェーデンクローナ(11億3000万ドル)だった。

中国共産党の青年組織はSNSで、「うわさを流して新疆綿を拒否しているのに、中国でもうけたいというのは虫が良すぎる」と批判。

中国の男優、黄軒(ホアン・シュアン)さんはSNSで、H&Mの広告塔を務める契約を解消したと明らかにした。「中傷やうわさの流布」に反対だからだとした。

H&Mの中国法人は、同国の消費者を尊重しており、同国での長期的な投資と事業展開にコミットしていると表明した。