[ニューヨーク 30日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが主要通貨に対し上昇し、対円では約1年ぶり高値を付けた。新型コロナウイルスワクチン接種が進む中、大規模な景気対策で経済は力強く回復するとの期待で米国債利回りが上昇したことが背景。

主要6通貨に対するドル指数は一時93.357と、4カ月ぶり高値を更新。終盤の取引では0.4%高の93.294。

ドル指数は過去6営業日のうち5営業日で上昇。ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)のマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「米経済に対する楽観的な見通しが最大の押し上げ要因になっている」と述べた。

この日発表の米経済指標では、コンファレンス・ボード(CB)の3月の米消費者信頼感指数が109.7と、前月の90.4から上昇。パンデミック(世界的大流行)が始まった2020年3月以降で最も高くなった。

市場関係者は、レバレッジを効かせた取引で損失を出した投資会社アーケゴス・キャピタルを巡る問題の影響が市場で消化されつつあることもドル支援要因になっているとしている。

ドルは対円で0.5%高の110.35円。昨年3月以来、初めて110円台に乗せた。ユーロは対ドルで0.4%安の1.1715ドル。一時は1.1711ドルと、昨年11月初旬以来の安値を付けた。

市場は労働省が4月2日に発表する3月の雇用統計に注目。ラボバンクの外為ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「市場では雇用統計に対し楽観的な見方が出ている。ドルが力強く下支えされる公算は極めて大きい」と述べた。

ドル/円 
 NY午後4時 110.33/110.36
    始値 110.37
    高値 110.42
    安値 110.19

ユーロ/ドル 
 NY午後4時 1.1719/1.1720
    始値 1.1730
    高値 1.1742
    安値 1.1713