[5日 ロイター] – 米ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部は5日、新型コロナウイルスワクチン接種について、現時点で国内の高齢者層の55%が2回の接種を完了したと発表した。さらに、国民の3人に1人が少なくとも1回目の接種を終えたと明らかにした。

同時に、米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は、新規感染者数が依然1日平均6万4000人のペースにとどまっており、若年層を中心に増加していると警鐘を鳴らした。

各州のデータやロイターの算出によると、4日までの1週間の新型コロナ感染者数は前週比5%増の45万人超だった。増加は3週連続。50州中27州で増加した。

同週の入院者数も4%増と、12週間ぶりに増加に転じた。

ワクチン普及の効果を反映し、死者数は17%減少した。

また、 米エマージェント・バイオソリューションズの工場で英アストラゼネカ製ワクチンの生産を中止する政府の決定について、新型コロナ対策本部のアドバイザー、アンディ・スラビット氏は同ワクチンの安全性や効果を巡る懸念が理由ではないと言明。ワクチン生産計画にも影響しない見通しとした。

米厚生省は3日、アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンをライセンス生産するエマージェントのボルティモア工場をJ&J専用とし、アストラ製ワクチンの生産を停止するよう指示。同工場では作業員がアストラゼネカのワクチン成分とJ&Jのワクチン成分を混合するミスが発生している。

このほか、ホワイトハウスのサキ報道官はこの日、フロリダ州のワクチン配布状況を引き続き注視すると表明。ホワイトハウスの調査で、フロリダ州の人口の17%がアフリカ系なのにもかかわらず、これまでのワクチン投与のうちアフリカ系住民に投与されたのは7%以下にとどまっていると判明したため、マイアミ、タンパ、ジャクソンビル、オーランドに連邦緊急事態管理局(FEMA)のセンターを設けたと述べた。

フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は富裕層が居住する地域に多くのワクチンを振り向けたなどとして批判されている。