[ワシントン 14日 ロイター] – 米国の情報機関のトップは14日、米安全保障に対する世界的な脅威を巡る年次報告書に関する議会証言で、中国の地域的な攻撃性やサイバー能力などに言及し、同国が「他に並ぶものがない」優先事項になっているとの認識を示した。
前日に公表された年次報告書は、世界の強国を目指す中国の取り組みが最大の脅威と指摘。この日に上院情報委員会で行われた公聴会にはヘインズ国家情報長官、バーンズ中央情報局(CIA)長官、レイ連邦捜査局(FBI)長官らが出席した。
ヘインズ長官は、中国は「複数の分野で米国に挑戦するほぼ互角の競争相手」になっているとし、「情報機関にとって中国は他に並ぶものがない優先事項となっている」と指摘。このほか、米国の影響力低下を画策するロシアや、中東の不安定要素となっているイラン、北朝鮮問題や世界的なテロリズムにも言及した。
この日の公聴会はハッカー行為のほか、ソーシャルメディアが持つ影響力などを含む情報技術に討議が集中。バーンズCIA長官がCIAの人員約3割がサイバー関連の案件に注力していると説明。レイFBI長官は、ソーシャルメディアが国内の暴力的な過激主義のほか、国外からの悪意のある影響の「主な増幅装置」になっているとの認識を示した。
情報機関トップは15日に下院情報委員会で証言を行う。