[香港 17日 ロイター] – 中国の電子商取引大手アリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループは、創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が保有株を売却し、経営権を手放すことにつながる選択肢を検討している。規制当局の関係者や企業側の関係者がロイターに明らかにした。

中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)の当局者が1月から3月にかけて、馬氏およびアントと個別に協議を行ったという。

アントは馬氏の保有株売却について検討したことはないと否定。広報担当者は文書で、「馬氏のアント・グループ保有株売却が議題になったことはない」と述べた。

関係者によると、アントは外部の企業を巻き込むことなく、既存の投資家やアリババ・グループに馬氏の保有株が売却できることを望んでいる。しかし、規制当局者は馬氏との協議で、同氏に近い企業や個人への株式売却は認められず、完全に撤退しなければならないと同氏に伝えたという。また、政府系の投資家に株式を譲渡することも選択肢の1つだという。

関係筋はいずれの選択肢も、中国当局の承認が必要になるとしている。