[ブリュッセル 22日 ロイター] – 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は22日、欧州の2020年の平均気温が過去最高だったと発表した。北極は気候変動の影響が大きくなるにつれ雪で覆われた地域が減り、夏に山火事が相次いだと指摘した。
22日に始まった米主催の気候変動に関するオンライン首脳会合(気候変動サミット)で各国首脳が温暖化対策の発表を控える中、EUは温暖化の影響がすでに出ていることを世界に改めて示した。
コペルニクス気候変動サービスによると、20年の平均気温は、次に暑かった5年間(すべて過去10年)の気温を最低0.4度上回った。
季節別では、冬も気温が過去最高となった。欧州における1981─2020年の冬の平均気温を3.4度上回った。秋の気温も過去最高だった。夏の暑さはここ数年ほどの猛暑ではなく暑さが続いた期間も短かったが、スカンディナビアやフランスなど一部の地域で記録的な猛暑となった。
北極は「劇的な1年」だった。北極圏シベリアでは山火事が相次ぎ、雪が例年より少なかったことや高温により猛威をふるった。シベリアの20年の平均気温は過去最高となり、1981─2020年の平均を4.3度も上回った。
世界の20年の気温は、過去で最も高かった3年間のうちの一つに入ると指摘した。
EUは21日、この10年間で二酸化炭素排出削減を加速する目標を設定した。米国も22日に削減目標を引き上げる見込みで、中国やインドなどの国への圧力を高めるとみられる。