[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ドルが対ユーロで8週間ぶり安値から回復したほか、円やスイスフランに対しても上昇した。

ドルは3月下旬以降、それまで上昇していた米国債利回りが狭いレンジにとどまったことを受け、約3%下落。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョセフ・マニンボ氏は、27─28日のFOMCを控え「ドル弱気派がやや慎重になっている」と指摘。「年内のテーパリング(量的緩和の縮小)の可能性が示唆されるリスクがある」と述べた。

今回のFOMCでは主な政策変更は予想されていないが、OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、新型コロナウイルスワクチン接種が進展し、経済に対する楽観的な見方が台頭する中、6月のFOMCは状況が異なると指摘。米景気回復期待を背景に連邦準備理事会(FRB)が予想より早く資産買い入れの縮小に着手する可能性があると見方が台頭する中、「ドル相場の見通しも複雑化する」と述べた。

終盤の取引で、ユーロは対ドルで0.1%安の1.2091ドル。 独IFO経済研究所が発表した4月の業況指数は96.8で、3月の96.6から小幅上昇したが、ロイターがまとめたアナリストの予想(97.8)には届かなかった。

新型コロナ感染第3波や、製造業の部品供給の目詰まりが影響した。 主要6通貨に対するドル指数は小幅安の90.828。8週間ぶり安値から一部回復した。ドルは対円で0.2%高の108.11円、対スイスフランでは0.1%高の0.9141フラン。

新興国通貨では、トルコリラが対ドルで8.48リラまで下げ、昨年11月初旬に付けた過去最安値の8.58リラに迫った。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは10.5%高の5万4288ドル。バイデン米大統領のキャピタルゲイン増税計画を受け急落していたが、この日は5万ドル台を回復した。

ドル/円   
NY午後3時 108.11/108.12
始値 107.77
高値 108.19
安値 107.78  
ユーロ/ドル   
NY午後3時 1.2090/1.2094
始値 1.2091
    高値 1.2093
    安値 1.2062