[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で は、ドルが主要通貨に対し横ばい。米連邦公開市場委員会(FOMC) の結果を控え、薄商いとなる中、円や資源国通貨に対しては上昇した。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジス ト、カール・シャモッタ氏は「米連邦準備理事会(FRB)が現行政策 を維持することはほぼ確実視されている」としつつも、FOMC声明や パウエルFRB議長の会見で経済を巡り一段と楽観的なトーンが示され れば、「テーパリング開始時期の観測は前倒しされ、米債利回りが上昇 する可能性がある。こうしたリスクへの警戒感がドルを支えている」と 述べた。

終盤の取引で、ドル指数はほぼ変わらずの90.897。一 時、3月3日以来の安値となる90.679を付けた。

ドル/円は0.6%高の108.72円。日銀が公表した展 望リポート(経済・物価情勢の展望)で、2023年度の消費者物価指 数(除く生鮮食品、コアCPI)の伸び率が1.0%と、目標の2%に 到達しない見通しが示されたことが圧迫した。

また、日銀は26─27日に開いた金融政策決定会合で、現行の長 短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和 政策の継続を賛成多数で決定した。アクション・エコノミクスによると、ドル/円は1月以来初めて5 0日移動平均の108.367円を上抜け、ドルの上昇勢いが示された 。

ユーロ/ドルはほぼ変わらずの1.2087ドル。豪ドルは対米ドルで0.5%安の0.7765米ドル。中国オフショア人民元も対ドルで0.1%安の6.48 元。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.5%高の5 万4883ドルに上昇。一時、5万5354.59ドルまで上昇した。 米JPモルガン・チェースが26日、ビットコイン・ファンド の提供を検討していると伝わったことが材料視された。 イーサはビットスタンプ取引所で2683.65ドルに 上昇し、過去最高値を更新した。

ドル/円 
 NY終値 108.68/108.71
   始値 108.27
   高値 108.77
   安値 108.21

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.2090/1.2094
   始値 1.2083
   高値 1.2092
   安値 1.2070