【カイロ時事】保守穏健派ロウハニ大統領の任期満了に伴うイラン大統領選の立候補登録受け付けが15日で締め切られ、今後、6月18日の投開票に向けて選挙戦が本格化する。優勢とされる反米保守強硬派から有力者が続々と出馬を表明。国際社会との緊張が高まりかねない政権交代が現実味を帯びている。
最終日の15日には、2017年の前回大統領選でロウハニ師に敗れた保守強硬派重鎮のライシ司法府代表のほか、ラリジャニ前国会議長らが出馬を届け出た。イランは米国の制裁下で深刻な経済苦境にあえいでおり、ライシ師は「行政府に変化をもたらし、貧困や汚職、屈辱と闘う」と当選への意欲を見せた。
一方、穏健派や改革派からは、ロウハニ政権を支えてきたジャハンギリ第1副大統領、17年に死去するまで保守穏健派の実力者として知られた故ラフサンジャニ元大統領の長男らが立候補登録を済ませた。ジャハンギリ氏は「核合意再建の基礎は整っており、誰も邪魔してはならない」と強調。国際協調を志向してきた現政権の路線継承を訴えている。
立候補については、最高指導者ハメネイ師が任命した聖職者らでつくる「護憲評議会」が資格審査を行い、その可否を決定。今月下旬に最終候補者が発表される。穏健・改革派に属する候補者の大半や、ハメネイ師との関係が微妙な保守強硬派アハマディネジャド元大統領ら多数が失格となる公算が大きい。
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