[ワシントン 20日 ロイター] – 米財務省は20日、バイデン政権の税制改革案には1万ドル以上の暗号資産(仮想通貨)を送金する場合の内国歳入庁(IRS)への報告義務が盛り込まれていると発表した。IRSの職員も今後10年間で2倍以上に増やすという。
税制改革案はコンプライアンスと徴税業務の改善に向け、2031年までに約800億ドルをIRSに投じる内容で、財務省がその詳細を報告書にまとめた。
報告書は「現金取引と同様に、時価1万ドル以上の暗号資産を受け取る取引も報告の対象となる」と指摘。暗号資産が事業所得の一部として今後10年間で重要性を増す可能性があるとした。
暗号資産の時価総額は約2兆ドルに達している。
また、今後10年間で常勤に相当する職員を合計で8万6000人以上採用し、2019年時点の7万3554人から倍増させるほか、今後10年間で徴収担当職員を少なくとも5000人増やすとした。
報告書によると、税法に従って納付されるべき連邦税と実際に納付された連邦税の差額である「タックスギャップ」は今後10年間で約7兆ドルと推計されているが、税制改革案により「保守的に」見積もってもタックスギャップが約10%縮小し、7000億ドルの徴税につながるとした。政府の資料によると、2019年のタックスギャップ推計値は5840億ドル。