[ワシントン 26日 ロイター] – 米大手金融機関の経営トップは26日、上院銀行委員会の公聴会で証言を行い、全般的な経済や役員報酬のほか、気候変動や人種差別に至る広範な問題について、議員らの厳しい質問に回答した。

公聴会に出席したのは、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの最高経営責任者(CEO)。

銀行トップが議会で証言するのは新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年3月以来初めて。大手金融機関はコロナ禍で苦戦する85万社の支援に690億ドルを拠出するなどしたことから、CEOらは穏やかな公聴会を予想していたが、実際は民主党と共和党双方から厳しい質問が浴びせられた。

公聴会の冒頭で、JPモルガン・チェースのダイモンCEOは「われわれは力強いポジションでこの危機を迎え、米国の安定と実体経済に対する支援に、われわれの規模をもって貢献した」と表明。シティグループのフレーザーCEOは、人種差別や富の不平等分配を含む「システミックな不平等」への対応を推し進める必要があるとの認識を示した。

これに対し、銀行委のシェロッド・ブラウン委員長(民主党)は、大手金融機関がパンデミック(世界的大流行)をうまく乗り切ったことだけでは十分でないと指摘。「現行のシステムの下では、大手金融機関の利益は従業員を代償にしているため、従業員に何が起ころうと利益を上げられる仕組みになっている」とし、CEOが受け取っている巨額の報酬のほか、株式買い戻しなどについて正当化するよう求めた。

共和党議員は、大手金融機関が化石燃料関連企業や銃製造メーカーに対する融資を制限するなど、社会政策に関与しようとしていると批判した。