[香港 27日 ロイター] – 香港立法会(議会)は27日、選挙制度見直し条例案を賛成多数で可決した。1997年の香港返還以降で政治システムに対する最大の変革となり、中国の習近平指導部は「愛国者」による香港統治に向け、決定的な一歩を踏み出した。
条例案は賛成40、反対2で可決。立法会の定数は90と、これまでの70から増加するが、直接選挙枠は20議席と、従来の35議席から削減。行政長官を選ぶ「選挙委員会」に40議席が割り当てられる。
このほか、候補者を審査する「資格審査委員会」が設置され、中国に対する愛国心が十分でないと判断された場合は立候補できなくなる。
新たな選挙制度の下で、選挙委の委員選挙が9月19日、その3カ月後に立法会選挙が実施される。選挙委は2022年3月27日に行政長官を選ぶ。
米国のブリンケン国務長官は声明で、中国は香港の民主主義を引き続き弱体化させていると非難。立法会の構成を変更することで香港市民の有意な政治参加が著しく阻害されるとし、香港市民の政治参加を制限することは、香港の長期的な政治・社会の安定にはつながらないとの考えを示した。