[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロやポンドで上昇。ユーロ圏や英国の金利が当面低水準にとどまることが見込まれる中、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。
主要通貨に対するドル指数は0.57%高の90.5810。週間の伸びとしては5月初旬以来の高さを記録。ユーロ/ドルは0.63%安の1.2099ドル。週足では4月末以来の大幅な下げとなる見通し。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は11日、ユーロ圏各国政府の積極的な財政出動でインフレがようやく上向いたとしながらも、金融政策の対応余力が限られる中、各国が今後数年、積極的な財政出動を続けられるよう新たな財政規律が必要と指摘した。
10日のECB理事会では、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を予想通りに現行水準に維持することを決定。景気判断を強める一方、現時点で縮小すれば借り入れコストの上昇につながり、景気回復が頓挫する恐れがあると判断した。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「(ユーロ圏の)インフレが金利に上昇圧力をかける水準には至っていないとECB当局者は示唆している」とし、ユーロが最近の上げを削っていると述べた。
ポンド/ドルは0.54%安の1.4098ドル。英国では新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染件数が急増し、ジョンソン英首相が目指す6月21日のイングランドのロックダウン(都市封鎖)の全面解除が実現するかどうかに不透明感が出ている。
高リスク通貨も対米ドルで下落。豪ドルは0.72%安の0.7697米ドル。ニュージーランドドルは一時5月4日以来の安値に沈んだ後、1.01%安の0.7123米ドル。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが0.3%高の3万6817.94ドル。週間では3%上昇する見通し。イーサは終盤の取引で3%安。週間でも11.7%下落する見通し。
ドル/円
NY終値 109.65/109.68
始値 109.46
高値 109.83
安値 109.45
ユーロ/ドル
NY終値 1.2106/1.2110
始値 1.2149
高値 1.2151
安値 1.2094