[ワシントン 23日 ロイター] – 米商務省が23日に発表した5月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で76万9000戸と、前月比5.9%減少し、昨年5月以来の低水準に沈んだ。減少は2カ月連続で、エコノミスト予想の87万戸を下回った。木材などの建材価格が大幅に値上がりする中、販売価格の高騰が足かせになったもようだ。

2カ月連続で減少したことで、新型コロナウイルス感染拡大による住宅市場に対する追い風が弱まりつつあることが示唆された。FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「新築だけでなく、中古住宅販売戸数から住宅購入がすでにピーク過ぎたことが示された」とし、「在宅勤務からオフィス勤務にシフトする時、何が起きるか分からない」と述べた。

前年同月比では9.2%増加。4月の販売戸数は81万7000戸と、当初発表の86万3000戸から下方改定された。

地域別では南部が前月比14.5%減少。反対に北東部や西部は増加した。中西部は横ばいだった。

販売価格は中央値で37万4400ドルと、前年比18.1%急騰。販売は20万─74万9000ドルの価格帯に集中し、最も需要が高い20万ドル以下の住宅販売は全体の2%にとどまった。

在庫は33万戸と、前月の31万5000戸から増加。5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は5.1カ月で、前月の4.6カ月から拡大した。6─7カ月が健全な需給状況を示す水準とされる。

5月に販売された住宅の約76%が建設中、もしくは未着工だった。