[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが安定的に推移した。市場ではインフレが高止まりした場合に米連邦準備理事会(FRB)は一段と積極的に対応するのか、探る動きが出ている。

主要6通貨に対するドル指数は91.790と、ほぼ横ばい。ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)のマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「ドルはあと少し底固めした後は上向く」との見方を示した。

FRBが先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒してから、FRB当局者はインフレを巡る様々な見解を表明。この日はフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、米経済が昨年の落ち込みから急速に回復する一方、労働市場については一段の改善が必要という認識を示した。

このほか、セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米景気回復が今秋にも加速し、世界経済もこれに続くと予想される中、米国のインフレ率はFRB当局者の現時点での予想を超えて上昇する可能性があるとの見方を示したほか、ダラス地区連銀のカプラン総裁は、需給の不均衡が予想以上に長期化する可能性があるため、今年3.4%、来年2.4%のインフレ率予想には「上振れリスク」があると指摘。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米経済は完全雇用にはなお程遠く、現在は政策金利を変更する時ではないと強調した。

この日発表の経済指標では、6月19日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が41万1000件と、前週の41万8000件から改善。5月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.1%減と、市場予想の0.6%増に反して落ち込んだ。

イングランド銀行(英中央銀行)はこの日まで開いた金融政策委員会で、経済活動の再開に伴いインフレ率が3%を超えるとの見通しを示したものの、中銀の目標水準を超える物価上昇は「一時的」とし、政策金利と資産買い入れ枠を現行水準に維持することを決定。

これを受け英ポンドは下落し、対ドルで0.26%安の1.3929ドル。

ユーロは対ドルで0.03%高の1.1932ドル。ドルは対円で一時111.11円と、20年3月以来の高値を付けた。その後は0.09%安の110.86円。

ドル/円 
 NY終値 110.86/110.89
   始値 110.80
   高値 110.91
   安値 110.70

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1930/1.1934
   始値 1.1944
   高値 1.1956
   安値 1.1921